そして君は歩き出す。

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ホンットなんなんだ…。 どこに行っても吹島吹島吹島…。 マジで疲れた…。 ただでさえ注目されんのはイヤなのに…。 怒涛の質問攻撃から逃げ出して、 今は屋上。 本当は入っちゃいけないし、 鍵も閉まってるけど、 僕は開け方を部活の先輩から聞いてる。 屋上への出窓4つのうち、 右から三番目の扉、 実は鍵が壊れてて、 コツさえ掴めば安全ピンで開いてしまう。 いいのか、こんな簡単に開いて? まあ、よくなくてもやるけどさ。 持ってきた煙草を取り出し、 火を点け、 煙を吸い、 吹島を発見。 真後ろに立ってた。 「!?…ぐはっ!げほッげほッ……っ!」 むせた。 「カズゥ、大丈夫?」 うう、お前のせいだっつの! くっそ、むせて何も言えない…! 「ケホ、ケホ…ッ」 吹島が背中をさすってきた。 ちょっと楽になったけど、 「や、やめろって!ケホッ、ハズい!」 言いながらむせてる。
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