そして君は歩き出す。

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吹島は本当によくわからないヤツだ。 気付くと近くにいることが多い。 といっても、 学年が違うから部活の時ぐらいだけど。 吹島は高一、僕は高二。 なのに、 「カズゥ、ウチを送ってけ?」 ザ☆タメ口。 「僕はカズゥじゃねぇ、カズマだ。 冬野香守真。何度言やぁわかる」 だからヤツに対する扱いは雑。 っても、 僕の場合は誰に対しても雑だけど。 「大体、今何時だと思ってんの?」 吹島を睨む。思いっ切り睨む。 けど吹島は、 「知らね、今何時なん?」 まったく動じない。 表情の変化も乏しいから、 何を考えてるのかわからない。 いつも、ぼーっとしている。 「僕はため息を吐きたくなりました。 アナタはいかかですか、吹島さん」 吐きたくなったと言いながら、 思いっ切り吐いてやった。 「どうでもいいから、何時なんよ?」 …この野郎。 「10時だっての。 お前、一応女の子なんだからさ、 ちょっとは気ぃ付けろよ」 心配する良い人な僕。 「別に、心配してくれなくていい」 突っ返す悪い吹島。 しかもそっぽ向きやがった。 …いかがいたしましょう? どうしましょう? 「ああ、帰りましょう」 そうしましょう。 「だから送ってけ?」 ぷっちぃん☆ 「送ってけって、 お前の家は公園の真ん前だろぅが!」 そうなのです。 ヤツの家はこの公園の真ん前なのです。 つまり、僕の家からも近い。 加えて、親同士が仲がいい。 つまり、吹島とは幼なじみ。 ザ☆幼なじみ。
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