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目が覚める。
と同時に目覚まし時計。
意味無いな、この時計。
鳴り続ける時計を止めてから思う。
毎回こんな感じに起きるんだよな。
「ふぁ、あぁ~」
ぼんやりしながら学校の制服に着替え、
リビングに移動した。
この時間にはもう誰もいない。
この家で一番平和な時間。
テーブルには書き置き。
冷蔵庫に朝ご飯が入ってます。
食べてから学校に行きなさい。
母より。
とりあえず無視。
朝は食べらんないんだよ。
そう思いながら家を出る。
僕が通う学校は、歩いて行ける距離だ。
昨日の公園を通って坂を上ればすぐ。
なのに遅刻するのは何故だろう?
今日は遅刻せずに行けそうだけど。
と公園前を通り過ぎようとしたら、
「おっは」
何か居た。
何故?
制服を着た吹島が居た。
いや、今日は学校だから当たり前だけど。
それに、[いた]というより、
待ってたように見える。
今まではこんなことなかったのに、
なんでいるんだろう?
「…なんで?」
思わず声に出た。
「今は朝だもの」
いやいやいや、挨拶じゃねぇよ。
「違ぇよ、なんで待ってんだよ」
「待ってたことはわかるんね?」
さっきのはワザとか。
わかりづれぇよ、吹島かおり。
特にその無表情が。
「ん。なんとなく待ってた」
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