~風遊歌~

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      くるくるくる 回れ回れ風車 子供たちが手に手に持って 辺り一面を駆け回る 微笑ましいはずのその光景が 今は胸に突き刺さるだけ いつの間にか年をとって 無邪気に走り回れなくなった いつか私もやってみたいと 幼い頃に望んでいたのに 気づけば大人になっていて どこで違えてしまったのか 公園のベンチに座って 一人ぼんやり空を見上げた ふと子供たちの方を見ると いつの間にか一人の青年が 子供たちと共に駆け回っていた もういい年だろうに と 呆れながらも羨ましかった 今 あの輪の中に入れたら と 出来もしない癖に思ってみる くるくるくる くるくるくる 回れ回れ風車 私の時代(とき)も巻き戻して……        
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