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音のない世界を
静かに
でも確実に
街を白銀に染め上げてゆく
風が悲鳴を上げて唸りながら
静かなる侵略者を吹きつける
風花とは誰が付けた名であろうか
小さな小さな白い華
街と共に私を染めた
このまま融けなければいい
このまま降り続ければいい
どうかすべてを覆い尽くして
儚く消えゆくその前に
どうせ消えてしまうのならば
すべてを道連れにして
汚れなきその色で
汚れた私を覆い隠して……
まるで儚い夢のよう
触れれば消える真白の華
その華にそっと触れたとき
私の中の何かが凍った
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