chapter2

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オーダーをしながら考える。 レイジのライブには行ったことがない。 行きたくないわけではない、むしろ行ってみたいが、どこかで ブレーキをかけている。 きっと行ってしまったら、気持ちがあふれてしまうんじゃないかと。 レイジが一番耀いている姿を見たらそれこそ止まらない。 カウンターに出されたカップを受け取るとユウの居る席に戻った。 「ねね、麻那はFILSって聞いたりしない?」 席につく前に聞かれる。 「そ、そうだなぁ、あんまり」 ホントは聞きまくり。 「ね、行こうよ、ファンになるかもよ~」 もうずっとファンというか信者。 ユウのススメもある。 「じゃあ、行こうかな」 レイジのアイドルの姿、見てみたい。 これはチャンス。 自分の気持ちを知るチャンス。 「じゃあ決まり、ねね、それ飲んだら買い物行くよ!」 ユウは飲み終わった自分のカップをゴミ箱に捨てると立ち上がった。 「えっもう?」 まだ一つも減ってない、アイスコーヒー。 「じゃあ、飲みながら!」 「えーッ」 半ば強引に店から連れ出された。
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