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「そろそろ寝ようかな、麻那ともしゃべったし!」
腕を伸ばして背伸びをする。
遠くの空が白んできた。
夏の夜明けは早い。
「今年もツアーなの?」
背伸びの後に、あくびをするレイジに問いかける。
「うん、だから次はいつになっちゃうかな、帰ってくるの」
しばらくまた会うことがなくなる。
「麻那はライブ見に来たいって言わないね」
灯りのついてない懐中電灯をくるくると回す。
「え?」
今まで言ったことも聞かれたこともない。
「これでもねぇ、結構人気あるんだけどなぁ、俺達。ま!逆に恥ずかしいからいいけど」
ちょっとすねたような素振り。
人気があるのなんて知ってる。
ツアーの日にちも分かってる。
出してるアルバムやシングル、写真集、雑誌、ちゃんと買ってる。
テレビもチェックして必ず録画。
レイジを見ない日なんてない。
でも・・・。
これは知られちゃいけない。
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