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1999年春、亜希と龍一そして僕はやっと同じクラスになった。
龍一とは腐れ縁でこの2年ずっと一緒のクラスだったが亜希は別のクラスだった。
僕と龍一はこの機会に亜希に自分達の気持ちを伝えることにしていた。
「亜希がどっち選んでも恨みっこなし」
「どちらを選ばなくてもな」
僕と龍一は亜希が好き。
僕と龍一はお互い良きライバルでいようと誓っている。
絶対無二の親友でライバル、そんないい関係は最初は無理だと思っていたが龍一は僕にとって亜希と同じくらい大事な親友。
僕はどちらかといえばあまり目立たない、真面目な優等生。
そして龍一はクラスの中で自然と目立つ存在。
容姿のせいでもあるんだろうけど、龍一はクォータで薄い黄金色の髪をしている。
それでも目つきは悪く、はたから見れば不良っぽい。
おまけにテレが乗じて喋り方もぶっきらぼう。
僕も亜希も龍一とは長い付き合いだから龍一が本当は根が優しくて誰より情に熱い男だと知っている。
だから世間の判断なんてどうでも良かった。
まぁ龍一が悪く言われることには腹が立ったけれど。
亜希と同じクラスになって数ヶ月、なかなか告白のタイミングがつかめないでいた。
受験等の問題もあったが何より亜希がなかなか学校に来ないせいもあった。
亜希は小さい頃からあまり躰が強いほうではなかった。
よく風邪を引くしよく体調を崩す。
それでも中学にあがる頃にはずいぶん強くなっているほうだった。
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