6.好き

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辿り着いた先。 はぁ、はぁ、と肩で息をする僕。 揺れるブランコ。 昔、彼女とよく遊んだ公園。 揺れるブランコ。 揺れる、彼女。 言いたい事や、話したい事があるなら。 会いに行けば良い。 そのために、この二本の足は、存在するのだから。 だから、僕は。 そっと、彼女の前へと歩いていく。 あの日、少しずつ遠くなってしまった距離が。 驚くくらい、簡単に、縮まっていくのに。 泣きそうになりながらも、ゆっくりと、少しずつ、距離をつめて。 キィ、と鈍い音をたてて、彼女の乗っていたブランコが揺れるのをやめる。 こちらを見上げてくる彼女。 彼女の前で、立ち止まる僕。 彼女は笑った。 僕達が、幼馴染になるための最初の出会いの時に、浮かべた笑みと同じように。 可愛くて、そして優しい笑み。 そんな彼女に笑い返しながら、僕はゆっくりと口を開く。 零れ落ちる言葉は、僕がずっと言えなかった、 あの、二文字。 「  」 end
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