一日目、始まりの風

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夏休み。 それは学校と言う名の牢獄から学生達が一時的に解放される夢の様な時間の事。 嗚呼、素晴らしきかな夏休み。 連日の猛暑など何のその。 暑さなんて楽しんでいる内に忘れてしまう。ビバ☆夏休み! ビバ☆長期休暇♪ 宿題なんてクソくらえ~ 「全く、頭の程度が知れる発言ですわね」 そんな感じで目の前に広がる数学の宿題から現実逃避していたら、横から呆れたような声が聞こえてきた。どうやらわたしは考えていた事をそのまま喋っていたらしい。 「だって、学生なら休みは嬉しいモノですよ~?」 「確かに嬉しいのは認めますが、もう少し有意義に時間を使おうとか思えませんの?」 この横で文句ばっかり言ってる女性は同じクラスの高坂 円(たかさか まどか)と言う容姿端麗・頭脳明晰・スポーツ万能と三拍子揃っているクラスの男共にモテモテの完璧お嬢様。性格は見ての通り気が強いと言うか偉そう…イマイチ定義は解ってないがいわゆるツンデレ。 『ツンデレなお嬢様』がベタだと思うのは私だけだろうか? 今日もまた白を基調とした服装をお召しになっている。 円が制服を除き、白っぽい服以外を着ていたのを未だに見た事がない。髪型はツインテールで、身長は高め。
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