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「さて、なんかするか?」
千明が出ていって微妙に静かになった部屋に残された俺は同じく残された高坂に聞いてみた。
「……………」
その彼女はボーと何処を見ているのか解らない視線で呆けていた。まぁ、そんな事だとは思ったが。
「おーい、高ー坂ー起ーきてーるーかー?」
「え?あっ、はい。私に何かご用かしら?」
ハッとなり慌てて、こっちを睨みつけるという面白い反応をする。言葉は丁寧だが声は焦っているというか怒っているような感じだ。顔はまだうっすらと上気している。
「今、この部屋には俺ら二人っきりしかいねぇよな?」
高坂の方を向く。
「ま、まぁ、その通りですが…それがどうかなさいました?」
無知を装ってるつもりらしいが、少し考えが暴走気味のようだ。俺から照れ臭そうに目線を反らした。高坂は恋愛物の小説とかドラマとかは読まないのか?見てたら毎度赤面してそうで面白そうだな。
「高坂は何したい?」
彼女の肩に手を乗せて囁く。
「私は………その…、えっと……。」
湯気でも出しそうな程顔が真っ赤になっている。このままいくといつまでもこうしてるか高坂が倒れるだろうからこんな所にしておくか。
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