一日目、始まりの風

7/13
前へ
/88ページ
次へ
「は?そんなつもりはありませんわ。たまたまです」 いつもとたまたまは逆だと思うが…。まぁ、いいか。 「成程。白は純粋で他に染められやすい色。黒は何事にも染められず、他を染める色。…つまり、俺に染めて欲しい訳だな。」 「~~っ!懲りない方ですねっ!」 言うが早いか、手が早いか。キレた高坂が俺の頭を狙い裏拳を放つ。だが、その程度解ってる。片手だけでガードし余裕の笑みを見せる。甘い、甘い。 高坂は焦る所か不敵な笑みを返してきた。 「残念でしたわね。」 腹に衝撃と激痛が走った。耐える事も出来ず倒れる。女と殺り合う趣味はねぇが、流石に油断した。 「高、坂…お前、みぞおちに、膝蹴りは反則…だろ」 「あら?処罰にルールなどありましたの?」 俺の必死の反論は高坂の至極まともな理由と高笑いに掻き消された。この借り、後で利子つけて返してやるからな…。楽しみに待ってろよ。
/88ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加