一日目、始まりの風

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「京助君、みつけましたよ~」 そんな事を考えていたらいつの間にか千明が後ろにいた。やたらと動いてる人がいると思ったら、千明が犯人だったらしい。って、探してたのは僕!? 「あ~奈々!抜け駆けはズルイですよ~」 顔を膨らませて抗議する千明。 「…千明は勉強中。…奈々はお腹空いた。」 対して奈々ちゃんは涼しい顔をしている。これじゃ、どっちが姉で妹なのか解らないや。まるで二人の心と体が入れ替わったみたいに千明も奈々ちゃんも年相応に見えない。こんな事考えるなんて、漫画とかの読みすぎかな…。 「昼ごはんはそうめんとちょっとした物しか作れなかったけど、みんなは上?」 たった今出来上がった昼ごはんを皿に盛りながら聞いてみた。 「あ、和馬と円を呼んできますね~」 さっきまでの膨れ顔はどこへやら。千明は飼い主に呼ばれた忠犬のように嬉しそうに駆けていった。
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