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朝六時 起床。
それが私『沢村 雪乃(さわむら ゆきの)』(十歳(もうすぐ十一歳)・小学校五年生・女の子)の一日の始まり。
まだ寝ている主(あるじ)を起こさないように静かに布団から出る。
冬の朝は寒いけど、このキンと冷えた空気が私は好きだ。
一人で眠ると恐い夢をよく見る私の為に一緒に寝てくれる優しい主。
本当の名前は『柊 和臣(ひいらぎ かずおみ)』さんて言うんだけど、私を拾って育ててくれるから最初は『ご主人様』って呼ぼうとしたのに…………
なぜか周りの人たちに物凄い勢いで止められて(「犯罪だ!」とか「マジでヤバいから!」とか皆は言ってたけど……なんでだろう?)……だから主って呼んでる。
着替えも静かにすませて、まだ寝ている主を残して部屋から出る。
廊下を歩きながら『組員』の人たちと朝の挨拶をする。
組員A『おはようございます!お嬢!』
組員B『お嬢!おはようございます!今日もお早いですね』
雪乃『おはようございます!』
皆はなぜか私を『お嬢』って呼ぶ、私なんてちっともお嬢じゃないのに何度言ってもダメだったからあきらめた。
洗面所で顔を洗って庭に出て大きく深呼吸すると私の一日が動きだす。
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