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朝七時 朝食
若手の皆はまだお掃除をしてるけど、私は学校があるから途中で止めて朝ご飯を食べる。
ご飯を作るのも若手のお仕事で、一年位前に私もお手伝いをしたことがある。
だけどその時ほんのちょっとだけ包丁で指を切っちゃって………
皆がすごい大騒ぎして
主はありえないくらい顔色が青くなって………
あぁ…もうこれ以上あの時の事は思い出したくない………
まぁそんな理由で私はしばらくお料理の手伝いは禁止になってしまいました。
思い出したらちょっと悲しくなったけど、気を取り直して今朝の朝ご飯は……炊きたてのお米に熱々の大根と油揚げのお味噌汁、ふんわり出汁巻き玉子と焼き鮭と小松菜のお浸し……幸せ
朝ご飯はいつも早起きな親分と食べる。
親分はこの組の『組長』で一番偉い人なの!
私なんかが一緒にご飯を食べるなんて失礼だって思うけど、親分がそうしたいって言ってくれたから二人で朝ご飯を食べる。
親分は恐い人らしいけど私には信じられない。
初めて会ったときも、時代劇でしか組長を知らなかった私は思わずTVと同じように『親分』って呼んでしまって、周りいた人たちは(主も)固まって、どうしよう!って思ってたら親分は笑って頭を撫でてくれて『それでいい』と言ってくれた。
だから皆は『組長』とか『親父』とか『頭(かしら)』なんて呼ぶけど、私だけは親分なんだ!
組長「雪ちゃん学校は楽しいか?」
雪乃「はい!すごく」
組長「辛い事…ないか?」
雪乃「ありません!」
組長「そうか…よかった」
そう言ってほっとしたように親分は微笑む。
私も笑う。
でも私の笑いはおかしいから笑ってしまうのだ。
だって親分はしょっちゅう同じ事を聞くから。
心配性で優しい親分。
こんなに優しい親分が恐いなんて皆見る目ないね!
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