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景色が変わった。
山と空しか見えない道から
ようやく街の人通りのある道へ
馬車は入った。
伊達は暖かい日差しにつられ
いつの間にか
眠りについていた。
「兄さん、
着きましたよ」
馬車の扉を開けて
男が覗きこむ。
伊達はあくびと背伸びをしながら、起き上がった。
伊達が窓から
外を見ると
高い石作りの塀で囲まれた
大きな建物がある。
「ここが八幡刑務所ですよ」
馬車の男が言った。
伊達は馬車から降りて
もう一度、刑務所の
外観を眺める。
(涼子さんはここに…)
「ありがとうございます
助かりました」
伊達は男にお礼を言った。
そのまま、男が馬車に乗って帰るのを見届けると伊達は八幡刑務所の門へ向かった。
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