淑女ハ檻デ佇ム

3/7
95人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
心地よい風が 伊達を撫でていく。 伊達は煙草を吸うのをやめて 景色を眺める。 今回…伊達に手紙を送った人物。 『菅原涼子』 彼女は西洋料理店ミラージュの従業員として伊達と知り合う。 伊達よりも年上だった菅原涼子は 伊達の仕事の愚痴を聞いたり ミラージュでご飯をご馳走したり、と 世話をやいていた。 その中で 伊達は彼女に対して 恋愛感情を抱くようになっていったのだ。 だが… ミラージュ事件を解決した時に 伊達自身が菅原涼子の犯行を暴いてしまう。 人を殺した訳ではないが 彼女は 悪意の下に遺体を傷付けた。 皮肉にも 事件解決の手掛かりになったのは 涼子が伊達に言った言葉。 『紅茶の色は紅とは限らない』 伊達九紋が初めて謎を解いた時 伊達九紋の恋は幕を閉じたのだ。 間違った選択をしたのかと 伊達は自分を責め続けた。 そして 新しい一歩を 踏み出そうと 決意した時から 伊達の心には 常に渇いた風が 吹き始めた。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!