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喉元にまで
鼓動を感じそうな程
心臓が高鳴る。
顔を見た瞬間
罵倒されるのではないか?
冷たい目で
睨みつけられるのではないか?
伊達が面会室へ
恐る恐る足を運ぶ。
ガチャ…
大きな硝子で
中央を隔てられた部屋。
その硝子の向こうには
涼子が座っていた。
涼子の視線は
伊達に向けられている。
真っ直ぐに。
伊達が口を開いた。
「涼子さん…」
以前に比べ
だいぶ痩せたように見える。
伊達を見た涼子は…
前と変わらない
凛とした眼差しで
「…伊達君
久しぶりね…」
そう言って笑った。
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