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部屋の時間が過ぎるのが
とても遅く感じる。
伊達は言葉を探すが
見つからなかった。
その様子を気付いたのか
涼子が話しかける。
「伊達君…
嶺愛で起きた事件
解決したんだってね」
伊達はどう返したら
いいのかも分からない。
「すごいじゃない!
話を聞いた時は
私も驚いたわ」
涼子の様子は
変わっていなかった。
明るく笑みを浮かべる
その姿は
伊達が恋した
『菅原涼子』のままだ。
頭の中で
たくさんの言葉が
溢れる。
「いや…
僕は…」
何故かは分からない。
だが、伊達は
涙が目に溜まるのを
抑える事ができなくなった。
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