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頭の中で
自分を落ち着かせようと
伊達は必死になっていた。
その様子を涼子は
悲しそうな表情で
見ている。
そして
話し始める。
「伊達君…
私ね…言いたい事が
2つ、あったんだ」
伊達は涼子の顔を見た。
どこか…もの寂しい
そんな笑顔を浮かべて
涼子は続ける。
「1つは…
もう伝えれない事。
私は言っちゃいけないんだ。
もう1つは…
だからこそ
伊達君に伝えなきゃ
いけない事。」
夕暮れ前の
紅い光が二人を照らす。
いつのまにか
激しい鼓動の高鳴りは
止んでいた。
伊達は静かに言った。
「…聞かせて下さい」
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