紫煙ハ未ダニ九揺ラセル

3/8

95人が本棚に入れています
本棚に追加
/39ページ
頭の中で 自分を落ち着かせようと 伊達は必死になっていた。 その様子を涼子は 悲しそうな表情で 見ている。 そして 話し始める。 「伊達君… 私ね…言いたい事が 2つ、あったんだ」 伊達は涼子の顔を見た。 どこか…もの寂しい そんな笑顔を浮かべて 涼子は続ける。 「1つは… もう伝えれない事。 私は言っちゃいけないんだ。 もう1つは… だからこそ 伊達君に伝えなきゃ いけない事。」 夕暮れ前の 紅い光が二人を照らす。 いつのまにか 激しい鼓動の高鳴りは 止んでいた。 伊達は静かに言った。 「…聞かせて下さい」
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

95人が本棚に入れています
本棚に追加