波の音が響く夜

旅立ち

運転手「そうだろうなぁ。で北陸のどこに行こうとしてるんだ？」

昇「あのっ石川県なんですけど、知ってますか？」

別に運転手さんを馬鹿にしているわけではない。

石川県の知名度は低い。僕の中ではそう言うイメージがある。

それに転校したばかりの頃、クラスメート達に石川県ってどこ？とよく言われた。

運転手「知ってる知ってる。ていうか俺も石川に行くところだったんだ、運が良いな君。俺の名前は紀村 龍治。龍ってよんでくれ。」

龍さんに自己紹介され僕もあわてて自己紹介をした。

昇「あっ僕は水嶋 昇っていいます。本当に運が良いですよね。あの…石川まで乗せて行ってもらっても良いですか？」

東京から石川まではかなりの距離があるし、初対面でそんなに相乗りさせてもらって貰うのも気が引けるが、出来るなら乗せて行ってもらいたい。