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ようやく美弦に追い付くと、屋上へと続く階段を上った。
「あ!美弦、屋上の鍵は?」
「僕を誰だと思ってんの?抜かりなく…ほらっ!(笑)」
美弦はそういうと俺に屋上の鍵を見せた。
「さすが美弦様♪(笑)」
「まぁね。もっと敬いなさい♪(笑)」
俺達がふざけ合っていると天王寺カイルは不思議そうに聞いてきた。
「その鍵、どうしたの?職員室から持ってきたの?」
それを聞いた俺と美弦はアイコンタクトをした後、天王寺カイルを見て…
「違うよ。職員室から持ってきたらバレるでしょ?」
と美弦が言った。
「この学校は屋上立ち入り禁止なんだ。天王寺カイル君。」
俺が美弦の後に続けて言うと天王寺カイルは…
「違う。カイルと呼んで?蓮(笑)」
と笑顔で俺に言ってきた。
馴れ馴れしいな…でも、言わないとうるさそうだ(汗)
「…わかった。カイル、これでいいだろ?」
「あぁ♪蓮(笑)」
俺が名前で呼ぶとカイルは嬉しかったのか、満面な笑みを浮かべていた。
ドキッ!
…ん?なんだいまの感じは?気のせいかな?
鍵の出所はもぉ気にしてないらしいカイルは屋上のドアの前に立つと、美弦に「早くドアを開けて。」と催促をしていた。
美弦はカイルのその様子を見ると笑いを噛み殺しながら屋上のドアを開けた。
俺達は屋上の外に出ると素早く鍵を掛け直した。
「んんーっ!やっぱ外は気持ちいいね♪」
「だね♪はい、連。購買部でパンとイチゴ・オレ買ってきた。」
美弦は俺にパンとイチゴ・オレを渡しながら言った。
「いつもありがとう!美弦♪」
「どういたしまして♪天王寺君はお昼持ってきたの?」
「はい、お弁当です。」
カイルは美弦に言われると弁当を見せながら言った。
その弁当を見て俺はビックリした。
「お、お重箱!?」
お花見や運動会、お正月でしか見たことのない立派なお重箱だった。
いや…俺の家で見るよりも立派だぞ(汗)
「すごいね。いつもこんなに食べてるの?」
美弦はカイルを見上げると言った。
「そうだよ。変かな?」
『別に、いいんじゃない?(笑)』
俺と美弦は口を合わせてカイルに答えた。
カイルはニコッと笑った。
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