夏の甲子園切符

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峻はベンチに戻った。 峻:「…」 峻はもう生気すら無いような顔になっていた。 部員全員:「…」 監督:「…っと、まぁしょうがないじゃないか!清柳が怪我した事で、…もう勝て無かったんだよ」 部員1:「冗談じゃねぇよ!」 部員2:「そうだよ!おい!峻!お前のせいだぞ!」 峻は顔を下げたままでいる。 部員3:「てめ~マジで許さないからな!お前が調子乗って投げるとか言うからだろ!」 部員:4「お前なんか消えろ!」 峻は肩を強く押され、後ろに倒れこんだ。 峻:「ご、ゴメン…」 部員:「マジでお前なんか消えろ!もう絶対俺達の前に顔出すんじゃねぇ!!」 みんなは帰り支度をしてベンチから出ていく。 峻は立ち上がって深く頭を下げた。 峻:「本当に悪かった!今日はちょっと…」 今ので怒りが頂点に達した岩山が峻の胸ぐらを掴んだ! 岩山:「お前なぁ!ちょっと何だ!?ちょっと調子が悪かった!?お前自分から監督に投げるだの抑えるだの言ったよな!? そして打たれて、言い訳か!? お前なんか殴る価値もねぇよ!!」 峻は怖くなって腰を抜かした。 みんなは帰って行く。 峻:「みんな!本当にゴメン!」 誰も峻の声には反応しなかった。 雪也がベンチを出ようとした。 峻:「雪也!お前は分かってくれるよな?」 雪也は峻の方に振り返り言った。 雪也:「もういいよ。橘君…もう野球部…辞めてよ…」 雪也は泣きながら走り去って行った。 峻:「雪也…」 《ハッ!!約束!!!》 峻は雪也との約束を思い出した。 峻:「雪也…ゴメン…」 峻はベンチで改めて後悔した。 涙が出てきた… 赤い夕日がこんなにも目に染みたのは初めてだった。 峻は自転車を漕ぐ力もでずにこけてしまった。 峻:「グッ…」 まだ涙が止まらない。 峻:「どうしてだよ!どうして俺がこんなめに!…」 涙を拭った時に峻はふと思った。 やっぱ野球の神様っていたんだ~ そんなに俺をどん底まで沈めたいのかよ 俺の人生は終わった… 峻の心は自分への怒りと罪悪感でいっぱいになり再び涙が出てきた…
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