夏の甲子園切符

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後ろから背中を叩かれた。 部員:「しまって行こうぜー!!」 峻:「はい!」 マウンドに上がった。 峻:《あれっ?なんかフカフカしてんぞ?やっぱ決勝のマウンドは違うなぁ~。ってかそんなの考えてる事じゃねぇ~! よし!投げる!》 キャッチャーの岩山【いわやま】が駆け寄って来た。 岩山:「後3アウトだけだからしまって行こう!」 峻:「はい!頑張って投げます!」 岩山:「よし!頼んだぞ!」 岩山が戻って行く。 審判:「プレイ!」 峻:《でも7番からで良かった~上位だったら… あ~こぇ~ ヤバッ!集中!集中!》 峻は投球フォームに入った。 軸足を後ろに下げ 両手を頭の後ろに持っていく。 そこから顔の前を腕が通り両手は顔の右に。 それと同時に左足を上げる。 右腕を後ろに伸ばす。 後は体全体を使う。 左手を引き肩を広げ加速をつける。 加速が右腕に伝わり前に出す。 最後は指先の感覚。 「シュッ!」 峻の直球は岩山のキャッチャーミットを大きく外れた。 「ボール」 岩山:「あいつ大丈夫かぁ?まぁ一球目だからな」 峻:《あっれ~なんか緊張してんのかなぁ~?俺の手》 よし!抑える! 「バシッ!」 「ボール」 ミットの位置はまたボールだった 「シュッ!」 「ボール」 「シュッ!」 「ボール」 「ボールフォア」 峻:《ランナーが出た、ランナーが出た!》 峻のグローブの中の手は汗が吹き出していた。 岩山:「ん~」 「シュッ!」 「ボール」 「ボールフォア」 岩山は監督を見た。 三池は頷いた。 岩山:「タイムお願いします」 審判:「タイム!」 岩山が峻に駆け寄る。 岩山:「おい!大丈夫か?コントロールついてないぞ!」 峻:「だ、大丈夫ですよ!ちょっと緊張してました!もう大丈夫です!絶対抑えます!」 岩山:「分かった。頼んだぞ!」 峻:「はい!」 審判:「プレイ!」 峻:《ノーアウト、1、2塁!ノーアウト、1、2塁!》 「シュッ!」 「ボール」 峻の汗がより吹き出した。 峻:「こんなはずじゃない! こんなはずじゃない!」 「シュッ!」 「ボール」 峻:「くっ!」 . 雪也:「峻ちゃん!絶対!絶対清先輩を笑顔にしてあげてね!」 . 峻:《そうだ、俺はチームみんなの願いを受けてるんだ! ここで負けてらんねぇー!!》 「シュッ!」 「ストライク」 峻:「ヨッシャー!!」 決勝。 9回裏。 峻の本当の夏が始まった。
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