~太一朗と月の鬼姫~

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鬼たちへ復讐を終え帰ってきて、数年が経ちました。 鬼ヶ島の鬼は少数ながらも生き延びました。 仲間を、家族を殺され生き延びた鬼達は桃太郎に復讐を誓いました。 復讐へ向かうのは一族の長であった大鬼神の娘『月の鬼姫』が向うことになりました。 鬼姫は名前を『月姫』と変え桃太郎に取り入り、隙をうかがい復讐をすることん残った鬼達に話し、姿を人に変える術をかけた後、鬼ヶ島を出て行きました。 しかし、運悪く嵐に船をのまれ、意識を失いました。 気が付くと月姫は海岸にうち上げられてました。 月姫は、ある男に助けられました。 「どうしました、大丈夫ですか?」 月姫は男を見たあと、また、気を失いました。 気が付くと、月姫は小さな家で寝ていました。 「気が付きましたか、あなたは砂浜に倒れていたのですよ。」 「あなたが助けて下さったのですね。ありがとございます。」 月姫は自分の名前と船が嵐にのまれたことを男に話しました。 男も自分のことを話しました。名は『太一朗』港町のはずれに住み、漁をしながら生活をしていると。 「もし、よろしければ、体調が戻るまでここにいて下さい。」 太一朗は月姫に優しく言いました。 月姫は体調が戻るまでここに暮らすことにしました。 月姫は数日、太一朗とすごしました。 その間、太一朗の優しさと時折見せる儚さにふれ、心を惹かれていきました。 太一朗も月姫の美しさと刹那に見せる悲しみに惹かれました。 ある日、月姫は桃太郎への復讐のため、太一朗のもとを去ることを決めました。 旅立つ前に、月姫は太一朗の時折見せる儚さの訳を知りたいと思い、太一朗に問いました。 「太一朗様、今までともに過ごせて幸せでした。私は、使命のため旅立ちます。最後に太一朗様にお聞きしたいことがあるのですが、よろしいですか?」 太一朗はうなずきました。 「太一朗様は、時折とても儚い顔をなされる。そのことが気がかりになっております。そのわけを教えていただけますんか?」 月姫の問いをうけた太一朗は悲しい顔をしながら話始めました。 「私は昔、大罪をおかしたのだ。」 少し間をおいて、また話始めました。
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