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高校時代…それは畑中にとって忌まわしい記憶であった。
中学時代、特に目立った選手ではなかった畑中だが、一般の入試で地元ではそこそこ高校野球の名門と呼ばれる高校に入学して野球部に入った。
勿論、最初はレギュラーどころかベンチ入りすら叶わず満足にボールを使うことも出来ない練習。部活の時間はひたすらに走り部活が終わった後に投球練習をする。
そんな一年を堪えて二年生になった頃、やっと10番の背番号を手に入れた。
そして春季大会で結果を残した畑中は夏を終えて三年生が引退したら間違いなく時期エースだろうと言われる存在になっていた。
しかしその頃、急激に頭角をあらわしてきた投手がいた。
それが当時まだ入学して間もない亮平であった。
当時の亮平は元々はそれ程注目されている投手ではなかった。確かに入学当初から球も速く恵まれた体格の長身から投げ込まれる速球には定評があった。しかし、それ以上に圧倒的な存在感を放つ選手がいたからである。
それが大津であった。
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