被写体

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そうして男女8人が笑いながら食事を済ませて店を出る支度をはじめる。 「さっこれからどうしよっか?」 瑠璃が切り出すと男から「あっ俺は抜けるわ」と言う声が二つ聞こえる。瑠璃が振り返ると男女二組が見事に出来上がっていた。 「うっ…いつの間に…」 「瑠璃が大津君と話してる間にだよ」 出遅れたことを呻く瑠璃に詩織が冷静に突っ込みを入れると、周囲からは微かに笑いが漏れる。 「まぁ、俺らは俺らで楽しくやろうよ」 まだ呻いている瑠璃を宥めるように大津が話し掛けていると、不意に姿を消していた亮平が戻って来て会話に加わる。 「どうするか決まった?」 「ん~今からは4人になるみたい」 「そっか」 人数が減るのは合コンなら当たり前と思っているのか、あまり気にならないように返すとジャケットを羽織る。 「じゃあ出ようか」 亮平に促されて一同が出口に向かって歩き出すと、瑠璃が思い出したように声を出す。 「あっ御会計しなきゃっ!」 慌ててレジに向かう瑠璃の手首を軽く掴んで引き止める。 「ん?何?」 「もう済ませたから」 不意に引き止められたことに疑問を感じた瑠璃に対して、亮平は事もなげに話すと「んじゃ行くよ」と言って店を出る。 そんな姿に瑠璃が「えっ?えっ?」と慌てるが大津が背中に手を添えるように押して、亮平に続いて店を出る。それに続くように詩織や他の4人も店を出ていく。
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