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シニア時代から捕手でありながら走攻守と三拍子の揃った選手であり、その頃から既に周囲からは「天才・大津」と呼ばれていた大津は多数の名門高校からの誘いを断り、シニアでバッテリーを組んでいた亮平と共に畑中のいる高校に進学していた。
高校に入り亮平は身体が出来てきて球速も上がり、大津に引っ張られるようにどんどん成長していった。
夏を終えた頃には「次のエースナンバーはどっちだ?」と部内外で囁かれるようになる程、二人の実力は伯仲するようになっていた。
そして…運命の日を迎えた。
三年生が引退してから迎える初めての大会。
そのベンチ入りメンバーが発表させる日であった。
レギュラーやベンチ入りを争う人間には勿論緊張の瞬間であるが、それと同様に畑中と亮平のどちらに背番号1番が与えられるのか…ということが部員の最も気になる点であった。
左腕でありながらMAX140km近い速球と切れ味鋭いスライダーが武器の二年生の畑中。
そして、一年生ではあるが140km台半ばの速球を武器として、おそらく正捕手になるであろう大津と長くバッテリーを組んでいる亮平。
ガチャッ
緊張感が漂う中、部室に監督が入ってくる。
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