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結局、あの後4人は他愛ない会話で盛り上がりながら夜空の下を散歩して、日が変わる前には各自が自宅に戻っていた。
自宅に戻った詩織がシャワーを浴びて着替えてからベッドに横たわる。
「……なんだったんだろ…?」
ぽつりと言葉を漏らす。
詩織の頭の中に浮かんでいたのは亮平のことであった。
居酒屋で食事をしている時もその後の散歩の時も明るく笑ってはいたが、あの一瞬…大津との関係を話した瞬間の僅かな微笑みが詩織の頭の中から離れなかった。
(なんか…別人みたいだったからかな…?)
「ん~」と少し呻くように頭を悩ませる。そこに至りはじめて何かに気がつく。
(なんで私…初めて会った人のことで悩んでるんだろ?)
自分自身に問い掛ける…
(タイプじゃ…ないし…)
詩織自身がスポーツをやっていたこともあり、詩織の好みのタイプは何かを打ち込んでいる人であり、亮平は決してそんな風には見えなかった。それどころか「遊び慣れてるなぁ…」そんな印象が浮かぶ程であった。
(わかんないや…)
結局、抱えた疑問は晴れないまま、詩織は自然と眠りに落ちる。
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