被写体

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翌朝、ベッドから起き出した詩織が学校の準備を済ませて、朝食をとりながら、昨夜考えていたことをもう一度思い返す。 (なんか…気になるなぁ…) 普段さっぱりした性格であることを自覚している詩織自身、何故こんなに気になっているのかは理解出来ないが、なんとなく頭から抜けない。そんな感じであった。 考えながら朝食を済ませて服装を整えると、何かを決めたように「よしっ」と呟くと部屋を出る。 いつも通りに真っすぐ学校に向かうが、そこからがいつもとは違った。 いつもは部室に行くことから毎日の学校がはじまる詩織であったが、今日はそのまま講義の行われる教室に向かう。もちろん講義にはまだかなり時間はあるが、そのこと自体が目的ではなかった。 教室に入った詩織は広い講義室を見渡すと、目的の人物がいることを確認して近寄っていく。 「おはよう」 「あっおはよ。今日は早いね」 詩織が話しかけたのは瑠璃であった。 合コンを企画した瑠璃なら、亮平のことを何か知ってるかと考えて話をしに来たのであった。
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