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余り広くない部屋に20余りの人間が集まっている。
その中で一人だけ正面に立っている男性が声を上げる。
「大学生活の新しい年度がはじまり、皆慌ただしい毎日を送っていることと思う。しかし、我々は動きはじめねばならないっ!」
男臭い声が響く中、それを聞いている者達は無駄口をたたくこともなくきちんと話を聞いている。
「学園祭での我々、光画部の展覧会に向けての制作である」
学園祭…大学における一大行事であり、文化系の部活にとっては自分達の活動を見せるための場でもあった。それは光画部にとっても同じで、写真部は代々、大教室一室を使い毎年大きな反響を得てきた。
「皆、大変ではあると思うが学園祭まで後半年、いい写真を撮ってくれ。以上」
『はいっ』
男の呼びかけにしっかりと返事をすると、周りと話をしたり部屋から出たりと各自が思い思いの行動をとる。
そんな中、3回生の結城 詩織(ゆうき しおり)もまた同級生と話していたが、不意に先程前に立って話していた男から声をかけられる。
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