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詩織は部屋のベッドの上で仰向けに寝転がり、天井を見つめて部長に声をかけられた時の事を思い出しながらぽつりと言葉を漏らす。
「なんで引き受けたんだろ?」
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「もしその気があるなら…学園祭での人物パネルを結城に任せようと思っているんだが……やってみる気はないか?」
部長が告げたその言葉に詩織は、、、
「私でいいなら…やらせてください」
思わずそう応えを返していた。
何かを考える訳でも無く、ただ無性にやってみたくなった。
気がつくとそう答えていた。
「人物かぁ…」
詩織は大学に入ってからずっと風景ばかりを撮り続けていた。元々、旅行が好きで色々な土地を見るのが好きだったというのもあるが、[人を撮る]その行為自体に魅力を感じなかったのだ。
[撮りたい]そう感じさせる人物に出会うことが無かったというのも理由なのであろう…しかし、学園祭まで後半年…詩織はそれまでに[撮りたい]と思える人物を捜さなければならなかった。
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