3月1日(学校、午前)

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 裕司は逆襲とばかりに、俺の持ってる答案を取り上げようとする。 純一「別に大したもんじゃないよ」  こういう時の裕司のしつこさは折り紙つきだ。俺は無駄なことをしないで、裕司にみせた。 裕司「……ち、俺より○が多い。俺に内緒でガリ勉してやがったな」 純一「俺を悪の道に引っ張り込むヒマがあるなら、勉強した方がいいぞ」  そう、裕司ときたら、ゲーセンだの映画だの怪しいDVD鑑賞だのしつこく誘って、俺の成績を落とそうと画策してたのだ。  でも結局、裕司ひとり、悪の誘惑を断ち切れなかった次第。  裕司は明らかに自分のエネルギーの振り分け方を間違ってる人間だとも思う。
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