3月1日(学校、午後)

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 案の定、委員長の言葉が終るやいなや、教室のあちこちで不満の火の手が上がる。 十牧「そそそれはあたしのせいじゃないぃ~っ!」  委員長の反論はもっともだが、だからといって騒ぎが収まるものでもない。  むしろこれを期にとばかりに騒ぎは拡大していく。 十牧「もぉ~! まだ話が残ってるのぉ~っ! 静まれー静まれーってばぁ~っ!」  委員長は顔を真っ赤にしながら、ポムポムと教卓を乱打する。  もちろん、まるで迫力などなく、むしろ和んでしまいそうだ。  委員長一人の声などクラス全員の不満を相手にしては、たやすく吹き消されるようなしろものだ。  しかし……。
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