始まり。

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『コッチ、カッチ、コッチ、カッチ、コッチ、カッチ……』    ……あ、そうか。  今日から親父もお袋も出張で家を留守にするから、誰もいないんだった。  どうりで呼び鈴が鳴っても誰も出ないはずだ。   『ピンポ~ン…』    っと!?  そうだった、誰だか知らないけど待たせたままだ。    慌てて玄関に駆け寄り、鍵を開けようと扉に手を伸ばした。   『カチャン…』    ところが、手が触れようとした瞬間、向こう側からカチャンと鍵が開けられる音がする。   純一「あれ?」    向こう側から鍵を開けられたってことは、取りあえず相手は鍵を持っているって事だよな?  んで、家の鍵は親父とお袋、そして俺しか持っていない。  その親父とお袋は出張で留守。  今頃は一緒に異国の地だ。そう簡単には帰って来れない。  というか、無理。  ……じゃあ、誰?
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