始まり。

5/25
前へ
/98ページ
次へ
 そんなことを考えていると、扉がわずかに開いた。  その隙間から覗き込むようにして顔を出してきたのは、よく知った顔だった。   純一「…かえで、か?」   かえで「あれれ、?じゅん君。なぁんだ、起きてたんだ」    目が合うと、かえでは安心したように微笑んで、ピョコンと中に入って来た。   かえで「おはよー。何度呼んでも返事が無いんだもん心配しちゃったよ。」    篠原(しのはら) かえで。  隣に住んでいる一つ年下の幼なじみ。  かえでの家とは家族ぐるみの付き合いがあって、物心つく前から一緒にいることが多かった。  一人っ子だった俺にとっては、妹みたいなものかな。
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!

130人が本棚に入れています
本棚に追加