冷たい家

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リビングにはひんやりとした重々しい空気が漂っていた。 薄暗く、窓からカーテン越しに射し込む朝日だけが、 唯一の光源となっていた室内に、明かりをつける。 少し間を置いて一気に明るくなった室内に、 目が慣れるまであたしは、 生活感の無いこの家に置かれた、数少ない家具の一つである食卓に手をついて、 しばらくの間静止していた。 その時指先に、 かさ、と乾いた音と共に触れた紙面の正体に、 あたしは小さく溜息を吐いた。
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