New days

9/15

7166人が本棚に入れています
本棚に追加
/114ページ
 それは先週の土曜のこと。  俺たちは、トカゲの家に集まっていた。珍しく部活が休みで亮もいて、三人揃っていた。  時刻は夜十時、そろそろお開きの時間。  この日は、トカゲが口火を切った。 「じゃあ、恒例の罰ゲームいくか? 種目は今やってるカーゲームな」  三人揃った時のラストの締めだ。  誰が言い出したかは忘れたが、記念にということで一回限りのはずだったのだが、いつの間にか定着していた。  罰ゲーム内容も、種目も様々。 「いいぜ。受けて立つ」  今日の成績は、俺が五勝、亮が三勝、トカゲが二勝。  今日は調子がいいので、このゲームでやるなら無論文句はない。 「俺も構わねえぜ」  亮も頷いた。 「で、罰ゲームはどうするんだ?」  俺はそう言って、二人に等分に視線を送る。  内容はかなり重要だ。今までも無茶な内容 ――大半が亮の提案―― が多々あった。  なるべく楽なのがいい。  しばしの沈黙の後、トカゲが口を開いた。 「敗者は、河瀬和泉ちゃんに告る!」 「…………は?」 「ナイス!」  俺と亮の反応は正反対だった。  こうして罰ゲームも決まり、勝負開始。  その結果―― 「……負けた」  トカゲのハメ技にハマり、見事に完敗。  そして、予定通りに罰ゲームは執行され、今の状態に至っているのだ。
/114ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7166人が本棚に入れています
本棚に追加