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「あなたが好きです! 付き合って下さい!」
俺は思い切りよく、言い切った。
放課後、南側校舎の屋上。
ここには普段割と多くの人がいるのだが、今日は俺を含めてたった二人。
そして、そのもう一人は俺の目の前にいる。
その彼女は現在、驚愕の表情を浮かべている。徐々に顔が赤くなっていくのが、見ててわかる。
まあ、俺の顔は彼女の数倍赤くなっているだろうが。
やがて、俺の告白への返事を返すため、意を決したように彼女が口を開く。
俺も彼女の言葉を受け止める準備をする。
返事はわかりきっているので、そんな大層な準備でもないのだが。
しかし、彼女の発した言葉は、俺にとって予想外のものだった。
「はい、よろしくお願いします」
「…………へ?」
脳が理解を拒否し、俺は思わず間抜けな声で聞き返していた。
「告白の返事は、OKってことだよ!」
そう言って、彼女は満面の笑みを俺に向けたのだった。
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