Reckless girl

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  「あ~、昨日はヒドい目に会った……」  昨日のことを思い出すだけで、気分がズドンと沈む。なんとか、最後のトランクス一枚は死守したが、後は全部脱がされた。 「いよう!」  不意に肩に腕が回される。その声と軽薄な口調で相手が誰か分かり、右の拳を握り締める。 「昨日は結局どうぐぼっ!」  亮の顔面に裏拳を叩き込んだ。亮が鼻の頭を押さえて痛みに呻く。  ざまあみろ。 「痛たた……あれ、河瀬さんは?」  亮が辺りを見回す。今頃そのことに気が付いたのか。 「さあな。今日は美沙も和泉も家には来てねえよ」 「ふーん。昨日の一件に恥ずかしさでも感じたのかな?」  そう言いながら、まだ忙しそうにキョロキョロと顔の向きを変える。  止めろよ。その様子こそ何か恥ずかしいぞ。 「ん?」  不意に亮の首の動きが止まった。 「どうした?」  亮の視線の先に目をやると、人が四人立っていた。一人の少女を塀に押し付け、ガラの悪そうな三人の男がその子を囲んでいる。 「あの制服……」  亮の囁きに頷いて返す。 「ああ、うちの制服だな」  男らの言葉に少女は首を横に振り、必死に抵抗している。一言で言えばナンパだが、もっと悪質に見える。放っておけば、拉致しかねない雰囲気だった。 「ちょっと、離して下さい! いやっ!!」  見て見ぬ振りは出来ないし、仕方ないな。 「正義の味方、しゅつどふっ!」  その前に、こいつは場をかき乱しかねないので、とりあえず動けないようにした。  そして、ゆっくりと歩を進める。 「ん? 何だてめえ?」  男のうちの一人が寄って来た。その表情から俺のことを侮っているのがわかった。好都合だ。 「俺たちの邪魔をしようってのか? 痛い目見たくなけりゃっ!?」  男が言葉を言い終わらぬうちに、右拳を男の鳩尾に埋めた。
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