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俺の名前は松永陽平(まつながようへい)。
ここ、栄秀学園に通う二年生だ。
詳しいデータを述べると――
身長は大体180㎝弱ぐらい。
学校の成績は割と上位で、特に物理が得意。運動神経は割と高い方だが、現在は帰宅部。
目と髪は黒色。
最近、カードゲームにハマっていたりする。
そんな、普通の少年。
しかし今、俺の状態は決して普通ではなかった。
俺は一人の少女と腕を組んで、しかも学校の廊下を堂々と歩いている。
彼女は河瀬和泉(かわせいずみ)。
クラスは違うが俺の同級生で、現在恋人……。
彼女をこの学校で知らない者はいない。俗に言う“学園のアイドル”。
小柄でとても可愛らしい容姿。小さく揺れる茶髪のツインテールも良く似合っている。
それだけでなく、成績も高く、いつも学年トップを争うほど。
誰にでも優しく、誰にでも厳しい。それでいて、場を和ます空気を常にまとっている。
見ているだけで、幸せな気分になる。
そんな少女……。
そう、そんな少女が俺の右腕にくっついているのだ。
和泉が顔を上げ、こちらを茶色の澄んだ瞳で見つめてくる。
俺もそちらに視線を向けた。すると、彼女は慌てて視線を前に戻す。
そんなことをしているうちに、それぞれの教室の前につき、俺たちは別れた。
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