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俺は教室に入ると、すぐに自分の机に向かった。
頭を抱えて突っ伏し、心の中で呟く。
なぜだ?
さらにもう一度。
なぜだ?
まだ足りない……。
なぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだなぜだ
“学園のアイドル”とも言われるあの和泉が、なぜ俺の告白を受け入れた?
昨日の夜からずっと考え続けているのだが、無論答えの片鱗すら見えて来ない。
メールアドレスも交換したし、本人に聞いても良かったのだが、なんとなく出来ないでいた。
「あ゛~~……」
そんなふうに俺が呻いていると、一人の男が近付いて来た。
「よお、朝から羨ましいぜ」
心地の良い低い声が、俺の耳に届く。内容は非常に不愉快極まりないが。
顔を上げると、声の主の姿が視界に入る。
中学の時からの友人が、からかうのを隠すつもりのない表情を浮かべていた。
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