第1章 風

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 神は実在した。  古より人々に信じ崇められてきたそれが今は蔑(ないがし)ろにされている。  それは人の科学が発展したからか。  理解できない事象を神の行いと説明するような必要がなくなってきたからか。  違う。  その昔、神は滅んだのだ。  いない者がいつまでもいた時と同じには評価されない。  しかし、神は存在した証を遺した。  神が滅した時、その力は飛散し世界中の様々な人や獣、物に移った。  人や獣はその力を血の中で鍛えあげ、物は“神器”と呼ばれ各地に伝説を残す。  今、“神器”を巡る戦いがここに始まろうとしている。
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