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(バカ神……、また居眠りなんか……)
彼女が毎度のことに呆れ果てた視線を送るその先に三条は静かに歩み寄った。
その顔には特段怒りの色も浮かべておらず無表情だ。
「さて、ジオはトマトは好きだったわね?」
三条はまだ突っ伏したままの彼にまるで起きている生徒に話すようにする。
無表情のはずの瞳はなぜかうすら寒いものを放ち始めている。
「じゃあ、なぜここが“Yes,I do.”になるのかしら? ……Why,Jin?」
「むぁ……?」
変な声と共に神は目を覚ました。
短髪だが寝方が悪かったのか前髪が少しはねていて見た目のマヌケさを増長させている。
その神に三条は表情のない顔を近付けて尚も言う。
「さぁ! どうして?」
そう聞かれてもさっきまで寝ていた彼には何を聞かれているのかすらわからず、クエスチョンマークを飛ばしまくることしかできない。
「どうしたの? 早く、答えなさい……?」
三条の眼鏡の奥の瞳には絶対零度の冷たい怒りが映って見えた。
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