第1章 風

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「おおっ!?」  神が廊下に放り出されるとその直後、教室のドアは必要以上の勢いで閉められた。  激しい音に反射的に首がすくむ。 「くっそ! あのババァ、今時、教室追い出すとかアリかよっ?」  ドアを睨みながら文句をたれていたかと思うと、神は急に怪しい笑みを浮かべた。  “悪”と評するべき、中学生としてよろしくない表情だ。 「ふっ、見てやがれ!」  そう一人ごちて、彼は微かに教室のドアを開くとそこから中を覗き見るのだった。
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