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年齢は 多分 14~5歳位だろうか。
この界隈には不似合いなダブダブのガーゼシャツをはおり、クタクタな麻のパンツからのぞく足元はサンダル履きである。
シャツの下に見える肌は透きとおるほど 白い。
ショートだったけど放っておいたら伸びちゃったよ みたいな無造作ヘア(?)の色は 白に近い金色だ。
全てが セイジを戸惑わせるのに充分なのだが、問題は、
―??女の子…かな?男の子?わ、分からん―
少年とも少女ともとれる端正な面立ちは、教会のフレスコ画の天使のようだ。
セイジが考えあぐねてつっ立っていると、その人物は軽く会釈をして、彼の横をかすめるようにして立ち去って行った。
淡い オレンジの残り香も手伝って、
それは なんだか夢の中のような時間に思えた。
春 うららかな 日暮れ時。
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