引キ摺ル音

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             カンカンカンカンカンカン……              錆付いた階段を一気に駆け上がり、通路を急ぐ。              ドアを勢い良く閉め、鍵をかける。              音はもうしない。              久しぶりの全力疾走に、膝が笑っている。              「はぁ…はぁ……」              呼吸を落ち着かせながら、冷蔵庫に獲物を放り込む。              朝飯に取っておくか…              ベッドに潜り込み、眠ろうと自分に言い聞かす。             
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