引キ摺ル音

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             ……朝の光が僕を迎え入れる。              全身から吹き出た汗がシャツとシーツを濡らしている。              「夢……か………?」              シーツだけでなく、部屋の何処にも血溜まりなどない。              しかし、頭の中では、未だ女の壮絶的な顔が残っている。              思い出すと、吐き気がしてきた。              体に怠さを覚えたまま、僕は支度を始めた。             
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