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「開けなさい!」
叔母と叔父はドアを激しく叩く。俺はうまく状況が理解出来ない。しかしこれだけは明らかだ。
--今、ドアを開ければ殺される--
死の恐怖に怖くなり布団を包んで身を潜めている。すると「くそ……」と叔父の声が聞こえる。
一人、階段を降りていく音 俺は気を紛らわせる為にテレビを付けた。この時間はバラエティーがやっている。
『番組の途中ですが阿部総理からの緊急会見です』
「!?」
--何だよ?こんな時間に……まさか俺の事か?--
映し出された映像はよくニュースとかで総理大臣が会見している場所だ。しかしこの会見は俺にとっては最悪の会見になる……
沢山の記者が集まっている。すると何人かの人間と一緒に阿部総理が歩いて来た。そして口を開く。
「単刀直入に言います。拓哉という少年を見つけ殺した国民には1000億円を懸賞として送ります。生け捕りにした国民には半額の500億円 有力情報を提供した国民には1000万円です』
「こいつ……何言ってやがるんだ?……」
俺は総理が言った事は信じられなかった。いや信じたくなかった。そして写真が公開された。
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