始まり

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のうのうと考えてる時間はない。しかしあほ丸出しで逃げても捕まるだけだ。俺は既に冷静という二文字を失っていた。 「キーロック、カイジョマデアト70パーセント」 ドアの向こうからはロボット特有の声が聞こえる。 --やばい。このまま、行けば10分も経たない内に解除される-- きっと捕まっても殺される。なら生き延びる為に逃げるしかない。しかしドアの向こうは叔母と叔父、窓の向こうは野次馬 しかし俺は思い出したのだ。ここには隠し扉がある事を…… 幼少時代に隣の空き部屋と自分の部屋の近くにある壁に穴を開けた事があったのだ。叔父と叔母に言えば怒られると思いずっと本棚で隠していた。 空き部屋には万が一事を考え、階段がある。俺は急いで変装し隠し扉をくぐった。ここからは時間との勝負になる。 狭い扉をくぐり抜け、汚い部屋を駆け巡る。そして見つけた。階段だ。俺は急いで階段を降りた。
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